指導者としての見識、品格を考える
人間の見識、品格を高めるにはどうしたらいいのだろうか。その要点は、物事の様子を比較して、上を目指し、決して自己満足しないようにすることである。ただし、様子を比較するというのは、個々のあれこれを比較するということではない。こちらの全体と、あちらの全体を並べて、それぞれのいいところと悪いところを余さず見なくてはならない。古今の人物を広く見て、誰と比較して誰の仕事くらいのことをすれば満足できるか、と考えれば、どうしても高いレベルの人物と比較せざるを得なくなるだろう。自分に長所が一つあっても、向こうには二つあるならば、自分のその一つの長所だけで満足する理屈はない。その上で努力しなければならないのだ…(福澤諭吉:学問のすすめ)